ADHDは「障がい」なのか?

見た目は普通

見た目は本当に健常者と変わりません。私の場合、スーツ着て、通勤して、仕事している。現在復職直後で不安定さもあり、午前中休むことが多いですが、普通に生活しています。相手に「自分はADHDです」と言わない限り気付かれません。逆にADHDであることを話すとビックリされ、そのようには見えないと言われることが多いです。

 

障がい者」と認定されることで不自由さを感じる

個人的な意見になりますが、「障がい者」と認定されると不自由さを感じます。確かに障がい者認定されれば、住民税の免除などメリットもありますが、周囲からの扱いは変わると考えます。例えば仕事ならば給与です。障がい者採用枠はありますが、給与は健常者より劣ります。健常者より仕事ができないという前提で給与額が設定されているからです。私は服薬することで普通に生活できるので、「障がい者」と認定されることはメリットよりデメリットのほうが多いと考えています。

 

普通に生活できる

私は「ストラテラ」という薬を飲んで症状を和らげ、普通に生活しています。ただ、この薬の価格は高いです。ジェネリックが登場していますが、ジェネリックでも価格は少々高めです。しかし、この薬の飲むことで「言われたことすぐに忘れる」ことがなくなり、仕事も大変やりやすくなりました。定期的に病院に通い、薬をもらい、きちんと飲むことで普通に生活することが十分できます。

 

ADHDであることを意識することは必要

服薬すれば普通に生活できると書きましたが、実際には自分はADHDであることを意識することは必要です。仕事で相手と話をする際も、齟齬がないように自分の認識を話して確認したり、わからないことがあれば正直にわからないと言ってかみ砕いて説明してもらいます。私は他人より理解力がないと認識しているので、特に仕事では相手の言ったこと自分の言葉で話し、同意を得ることで相手の話を理解するようにしています。

 

ひとつの「性格」としてとらえたほうが良い

一説によると日本人の5%が発達障害であると聞いたことがあります。数値に直すと約600万人です。職場や学校のクラスに1人はいると考えてよいです。それだけの人数がいるので、特別扱いせずにひとつの「性格」と捉え、普通にいるものとして考えたほうがよいと考えます。ADHDであることで周囲に害を与えたりすることはありません。ただ、人によっては行動や特性を周囲に理解してもらう必要があります。本人はその気がなくても、知らぬ間に周囲に迷惑をかけていることがあるからです。

家族について

親は認めたがらない

見た目および発言は一見普通なので、まさか自分の子が障がい者とは思いません。自分の子が障がい者であることを認めたくないこともあるようです(私の母親が認めたくない雰囲気を持っていました)。しかし、事実を変えることはできません。現実を受け入れてもらうしかありません。

 

一緒に病院に付き添ってもらうことが大事

症状、自分の特性、苦手な点、家族としての接し方を理解してもらうためにも、一度は家族と一緒に病院に行って話を聞いてもらったほうが良いと思います。ADHD知名度は上がったものの、人によって症状が異なるので、医師から説明してもらうことは大切だと考えます。ネットで検索してすぐ理解できるものはないです。

 

自分の苦手を理解してもらう

朝起きるのが辛い、人の話を長く聞けない、忘れっぽい、等々、普通ならできることを
できないことのがADHDの特徴のひとつです。家族は「なんでそんなこともできないのだ!」と思って、きつく当たってくることもありますが、これはもうどうにもできないことなのです。苦手なことを理解してもらって、怒りに発展させないことが大事です。怒りに発展させないことが本人にも家族にも幸せなことです。

 

自分から話して状況を理解してもらう

現代、家族の会話が減っていると聞きます。しかし、自分から何も発しないと家族は「大丈夫か?」と不安になります。今日あった出来事を自分から話し、状況を理解してもらうことが大事です。話せば、今の状況が理解できるので、何でも良いので家族と話すようにしましょう。

 

助けてもらえることは助けてもらう

苦手なものも自分でやろうとすると、手痛い失敗をすることがあります。苦手なものは家族にサポートしてもらいましょう。例えば、私の場合お金の管理が苦手です。クレジットカードをいつも持っていると使いすぎる可能性があるので、基本的には家族に預かってもらい、必要な時だけクレジットカードを出してもらうようにしています。なお、クレジットカードの明細はいつもチェックしています。家族だからまずないと信じていますが、勝手に使われたかどうか確認するためです。

仕事について

会社には症状を言いづらい

会社に正直に症状を報告すると、障がい者採用に変更されたり、何をされるか分からないので、正式には報告していません。というか、怖くて言えません。でも、今の上司は信頼できるので自分が発達障害である旨は伝えています。そのおかげで仕事もやりやすいです。

同僚との関係

上司を除いて周りは自分が発達障害持ちと知らないので、普通に話しかけてきます。相手の話を最後まで聞いて、何を言いたいのか理解して、そして回答するように心がけています。その際、相手を批判したりすることは避けています。アクティブリスニングを心がけています。

自分の仕事

自分は本当に恵まれていて、上司は自分のことを発達障害持ちと理解してくれているので、仕事の指示も細かくしてくださり、わからないところを質問してもきちんと説明してくれます。基本的には困ることはありません。信用できる上司ならば、ここだけの話として発達障害のことを話してみるといいかもしれません。ただ、基本的に上司はろくでもない人間が多いので注意が必要です。

仕事の仕方

なるべく心に余裕をもって仕事に取り組んでいます。追い詰められたり、プレッシャーを感じると100%で仕事をすることができません。逆にプレッシャーがなく、心に余裕があれば、100%力を発揮することができます。

仕事のペース

一度スイッチが入ると集中するので(過集中とも言います)、他人より仕事を終わらすのが早いです。見積もった時間よりも早く終わることが多く、余った時間をどうしようと考えることが多いです。自由に動けるポジションならば、人に会いに行きたいのですが、今はそのポジションではないので、何かやることを探しています。

発達障害とは

複数の種類がある

発達障害といっても種類があります。大きく分けるとASD自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如・多動症)です。人によっては両方の症状をお持ちの方もいらっしゃいます。様々な文献を読みましたが、専門家でもこの2つのどちらなのか診断することは難しいそうです。

大人になっても診断される

当初、発達障害は幼少期に兆候が見られ、診断されていました。しかし最近では、大人になってから発達障害と診断されることも多くなってきました。それは発達障害が最初は幼児の病気と考えられていたためです。

周囲に理解してほしいこと

忘れっぽい、集中力が散漫になることが多いですが、本人は悪気があってやっていないことをまず理解して頂けると本人は助かります。「障害」という名前がついていますが、その人の一つの特徴と考えて頂けると周囲の人も楽になるかと思います。

対応方法

通常の人より細かく説明、仕事の指示をして頂けるとすごく助かります。私はシステムエンジニアで、システム開発時に工程表を作成する際、タスク単位まで分解します。タスク単位まで分解して説明されると理解が早いです(自分がそうです)。

自分の状況

私自身、30代後半で発達障害ADHD)の診断を受けました。ADHDがうつを引き起こすことが多く、たびたびうつ状態になりました。主治医に原因が何かあるのではないか?と尋ね、検査を受けたところADHDと診断されました。現在は投薬によって症状は安定化し、通常の生活を送っています。しかし時々会社を休むことはあります。